2009.7.6.

今日、電車に乗っていたら、前にすわってる女の子がくすくす笑っている。何か面白いことでもあるのかな、と思って、ぼくも周りを見回したのだけど、特に何もない。そういえば、今日は鏡を見るのを朝から忘れていたことを思い出した。

もしかしたら、ぼくの髪がすごくおかしなことになってるのかな、と思って、女の子の方を見ていたら、ぼくのとなりにすわっていた人が「変わった髪形ですね」とぼくに言う。やっぱりぼくだったか、と思いながら「ええ、鏡を見なかったものですから」と言うと、「何ですって! そいつはすばらしい」とその人がやけに興奮している。

ぼくの髪よりこの人の方がよっぽどおかしいや、と思っていると、さらにまくしたてて「私も鏡は見ないようにしてるんです。映りゃしませんから」と言うので「まさか、吸血鬼ですか!」と言ってみると、ははは、と笑いながら電車を降りていった。前の女の子もまだ笑っていることだし、帰って鏡を見るのが待ち遠しい。


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