2010.6.30.

暑くなって一気に草がしげってきたなあ、と思って、庭を眺めていたら、小さなクシが落ちていた。指でつまみあげてみると、小指の爪よりもまだ小さい。こんな小さなクシで済むなんて、よっぽど髪の毛が少ない人だな、と思って、近くにハゲがいないか、探すことにした。

そうしたら、どこからか「おーい」という声がする。ハゲか、と思って見たら、黄色い花の上に小さい毛虫がいた。こいつが呼んだのかな、と思って、じっと見ていると「ぼくのクシを拾ってくれてありがとう。なくしたと思ってたよ」という。

げ、毛虫のか、と思ったけど「いえいえ」といって、毛虫にわたすと、うれしそうに毛をとかしはじめた。「かぶれるから、毛をこっちにとばさないでね」というと、「そんなに毛が抜けたら、今頃イモムシになってるよ」と笑っている。暑いけど、のんびりした午後。


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